こんにちはハニワです。
突然ですが、あなたの文章はあなたの代わりとなって働いてくれていますか?
ブログを始めて1ヶ月が経過しましたが、私は今、文章力の大切さを痛感しています。メールや企画書など、ビジネスで文章を書く機会は多かったので、これまでなるべく正確に伝わるような文章を書くように心がけていました。
しかし、ブログで私が書きたいのは正確で伝わるだけの文章ではなく、人の心を動かす文章でした。
- 読んでくれた人の心を動かす文章を書きたい。
- 読みやすくて信頼される文章を書きたい。
- 説得力のある文章を書きたい。
そう思っていた時に手に取ったのが『文章の鬼100則』でした。
著者の川上徹也さんは、「働く文章」を武器に、コピーライターとしてさまざまな企業や団体の「理念」を1行に凝縮して旗印として掲げる「川上コピー」を書かれています。
「働く文章」とは?
「働くあなた」にとっての
強力な武器になる文章のこと。
具体的には以下の3つの役割を果たす。
①読み手に働きかけ、その心にグッと刺さる
②読み手を動かし、ビジネスで結果を出す
③あなたの分身となり、勝手に働きお金を稼いでくれる
(表紙カバー見開き)
本書では、「働く文章」の書き方が全5章100項目に分けて解説されています。ここではその中でも文章作成の大前提に気づかせてくれる第1章「Premise~鬼前提~」の中から3つをピックアップしてご紹介します。
働く文章を作るための大前提
①タイトル・見出しで第一印象をツカむ
読み手が文章を本気で読むか否かは、そのタイトル・見出し、キャッチコピーでもう決まっていると、川上さんは言います。
タイトル・見出しがつまらなさそうだと、「本文もつまらないだろう」と判断する。人の第一印象が顔で判断されるのと同じように、文章もまず顔であるタイトル・キャッチコピーで判断されている、という訳です。
本文を読んでもらうには、「文章の顔」を魅力的にみせることが必要です。その「文章の顔」の磨き方について、川上さんは具体的な手法を第3章でいくつも紹介しています。
ただ、顔だけを磨きすぎるのは要注意です。いくら顔に惹かれても、中身が残念だと余計にがっかりしてしまいますよね。
たとえば、タイトルに惹かれてクリックしたネットニュースの中身が、タイトルと全然違ってがっかりした、という経験ありませんか?
顔に見合う、中身のある文章は、信頼される文章の基本と言えるでしょう。
文章を書くのに(一字一句もゆるがせに出来ないのは言うまでもないが)、
ことに大切なのは、題名、書き出し、結び、この三つである。
太宰治
(p.23)
②書く目的を決める
特にビジネスシーンでは、文章で何が言いたいのかきちんと伝える必要があります。
そのためにまず考えるべきなのが、「何のためにその文章を書くのか」ということです。
読んだ人にどう感じてほしいか、どのような行動をとってもらいたいのか。どのような結果が欲しいかによって文章の書き方は大きく変わってきます。
例えば、紹介する商品を買ってほしいのであれば、読み手が買いたくなる内容で、その気持ちがさらに湧き上がるような方法で書く必要がありますし、情報をきちんと伝えたいのであれば、重要な部分をわかりやすく書かなければなりません。
「目的」は英語で言えば「WHY」の部分です。それが決まらないと「WHAT」や「HOW」に話が進みません。例えば買い物で、何を買うかが決まってはじめて、何で行くか(徒歩・自転車・車)の「WHAT」が決まり、どのようにして買うか(現金・クレジットカード・スマホ決済)の「HOW」の話になりますよね。
それに、「目的」を決めずに書き出してしまうと、結局何が言いたいのかよくわからない文章になってしまう可能性が高くなります。
文章を書く目的が最初に決まっていれば、書かなければいけない事柄や、どのように書けばいいかなど目的に沿った文章を考えることができると言えます。
その文章を読んだ人にどんな風に感じてほしいのか?
その文章を読んだ人にどのような行動を取ってほしいのか?
まずはそれを決めてから書き始めよう。
それが「働く文章」を書くための第一歩だ。
(p.27)
③メッセージを一つに絞る「ワンメッセージ」
文章を書く上で、最も頭を使う大切なポイントが「伝えるべきメッセージ=テーマ」です。
その時、いろいろなことを伝えようとすると、結局何も伝わりません。
メッセージはひとつに絞るべきであり、その「ワンメッセージ」を伝えることにすべての精力を注ぐことで相手の心に強く刺さり、気持ちを動かすことができると川上さんは述べています。
たとえば本書には、100の項目がある。当然、100のメッセージが載っている。
しかしもっと俯瞰してみれば、究極に伝えたいメッセージはひとつである。
「伝えるだけの文章を卒業し、働く文章を書けるようになろう」ということだ。
このワンメッセージを伝え、行動を変えてもらうために、「何をどのように書けばいいか?」を100の角度から提示しているのだ。ある項目では具体的に。ある項目では抽象的に。
(p.29)
おわりに
本書ではこのように「働く文章」が書けるようになるための方法が100の項目で紹介されています。
著者のコピーライティングの技術と心理学の知識が詰まった、第3章と第4章は特に読みごたえがあります。とはいえ、一見難しそうな心理学的な項目などでも、「たとえ」がわかりやすく挙げられており、理解しやすい工夫がされていると感じました。
ビジネスなどで「人の心をグッとつかむ、行動してもらう文章」を書きたいときには、ぜひ本書で紹介されている「働く文章」術を取り入れてみてはいかがでしょうか。