こんにちは、ハニワです。
あなたには「こんな風になりたい」という人生のビジョンや目標はありますか?
人生のビジョンや目標に向かって毎日努力して頑張っているのに、なかなか思うように結果が出ないことも多々あると思います。それに対し、何をやっても上手くいく人や、いとも簡単に目標を達成する人がいることも事実です。
では、努力が報われない人と、上手くいく人の差とは一体何なのでしょうか?
今回ご紹介する『神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り』の著者である星渉さんは「人生の9割はメンタルで決まる」そして、「強い心」は科学的に「作り出す」ことができると言います。
本書では、タイトルの『心が強い人の人生は思い通り』とあるように、何をやっても上手くいく人が必ず持っている『神メンタル』を序章から第6章に渡り順を追って分かりやすく解説されています。
読み進めるうちにあなたにも、科学的に自然と心を強くするための方法と、人生を思い通りにするためのメンタルを身につける感覚を得ることができると思います。
ここでは、序章「人生の9割はメンタルで決まる」、第1章「思い通りに生きる公式」をピックアップしてご紹介します。
「変わらない日常」から脱せない理由とは?
「収入を増やしたい」
「結婚して幸せになりたい」
「インフルエンサーになりたい」
など、叶えたい夢があなたにもあると思います。でも、今の現実を変えるのは簡単ではないのではないでしょうか。なぜなら、「現実を変えたい」というあなたの思いをジャマするものが実は存在するからです。
その正体は、何を隠そう「あなたの心」なのです。
「損失回避の法則」と「保有効果」
私たちの心はとても複雑にできており、これまで様々な心理学の研究が続けられて来ました。その中で私たちを現状維持にとどめようとする心理現象が明らかにされています。
それが「損失回避の法則」と「保有効果」です。
まず「損失回避の法則」とは、「“損した時の痛み”は“利益”(よい出来事が起きた時の喜び)の2倍強く感じてしまう」というものです。得られる利益が2倍以上ないと、行動に移せないのです。
そして「保有効果」とは、「自分が持っているものを実際の価値よりも高く見積もってしまう」という心理現象です。大抵の場合、私たちは既に手にしているものを実際よりも約2倍は高い価値で見積もると言われているそうです。
例えば、次のようなルールのコイントスにあなたは参加しますか?
おそらく一瞬躊躇してしまうのではないでしょうか?
- 表が出たら1万円払う
- 裏が出たら1万円もらえる
この場合、自分の1万円の価値を2万円くらいに感じているので、表が出た際に1万円払う事を躊躇してしまうんですね。
では、次のようなルールではどうでしょうか?
- 表が出たら1万円払う
- 裏が出たら2万円もらえる
これだとちょっと参加してみようかな?と思ったのでは?
「サンクコスト」と「確証バイアス」
「損失回避の法則」と「保有効果」が働くと、『今の状況でも別にそこまで悪くないのに、わざわざ変える必要があるのか?』と、無意識のうちに行動するのが面倒に感じてしまいます。
これが「変わらない日常」から脱せない理由です。
毎日の選択や行動を変えれば間違いなく人生は変わっていくのに、このような心理現象によって、知らず知らずのうちにコントロールされてしまっているのです。
さらに、「損失回避の法則」「保有効果」の次に現れるのが、「サンクコスト」と「確証バイアス」いう心理現象です。
「サンクコスト」とは、過去にかけた時間、労力、お金にとらわれてベストな判断ができなくなる状態です。「せっかくここまでやったのに、もったいない!」これがそうです。こうなると、合理的な判断はできませんよね。そうすると、次は「今のままの自分が正しい!」ということを裏付ける情報を集め始めます。これが「確証バイアス」です。
このような様々な心理現象により、私たちは毎日変わらない日常を過ごし、自分を変えられずにいるのです。
「思い通りに生きる公式」とは?
著者の星さんは「好きな時に、好きな場所で、好きなシゴトをする個人を創る」をコンセプトに7200人を超える人々にアドバイスをされています。その中で「どんな願望であっても、実現するために必要なことは、もう決まっている」という真理にたどり着かれました。
それが、「思い通りに生きる公式」です。
【思い通りに生きる公式】
現実(未来)= ①目的地 × ②手段 × ③メンタル
p.27
公式「①目的地」の設定
星さんは、多くの人が目標設定を間違えていると言います。それは、設定している目標が曖昧すぎるということです。例えば冒頭に書いた、「収入を増やしたい」「結婚して幸せになりたい」「インフルエンサーになりたい」このような目標設定だと、曖昧すぎて目的地にたどり着くことはできません。
あなたという飛行機が目的地に正確にたどり着くためには、
①「ここ以外ない」というくらい目的地を明確に設定すること
②目的地から常に目をそらさない(忘れないようにする)こと
この2つが重要なのです。
p.36
まずは目的地を具体的に、明確に設定することが大切なんですね。
公式「②手段」は自動的に見つかる
多くの人が「手段さえわかればすぐに夢を叶えることができるのに」そう思っているかもしれません。しかし、手段は目的地によって変わるものであり、大概の人は手段がわかりません。
ありがたいことに本書では、「手段は最も重要な項目ではない」とされています。それには3つの理由があります。
- 手段は「目的地」が明確に設定されていなければ導き出すことができない
- 「今のあなた」では、明確にした目的地に行き着く手段はどちらにせよわからない(知らない状態なのでいくら考えても手段は見いだせない)
- 公式の「③メンタル」を強くすることで“自動的”に見つかる
手段は考えて作るものではないので、「自分で考えて見つけないといけない」と思い込まなくて良いのです。なので、公式の中で重要度は最も低いものとなるんですね。少し肩の荷が軽くなりました。
公式「③メンタル」とは?
メンタルという言葉はよく聞きますが、メンタルとは結局のところ何のことなのでしょうか?
「メンタル」とは、「心」であり、「自己評価」であり、「脳」である
p.43
本書では、「心=脳」と定義付けられています。
「思い通りに生きる公式」の項目の中で、一番重要とされているのが③メンタルです。なぜなら、いくら目的地と手段が明確になっていたとしても、自己評価(メンタル)が低いままだと、「自分にはできるわけがない」という発想が先行し、適切な手段(行動)を見つけようとしなくなってしまうからです。
変わらない日常から脱せない理由は、脳が現状維持を保とうとするからでした。それを覆すためには「自分はできる!」と自己評価を高く持つ必要があるのです。
「実行」できなければ現実は何も変わりません。ですので、私たちが変えるべきは、メンタル=自己評価だということがわかりますね。
ここまで来ると、タイトルにある「心が強い人の人生は思い通り」になる理由が少し分かって来たのではないでしょうか?
おわりに
本書では、私たちが持つ心理現象を科学的に攻略する方法が第6章まで順を追って丁寧に説明されています。
私が思わず膝を打ったのは、第2章の、なぜ脳が変化を嫌うのか、そして脳が私たちに変化させないようにスルーさせている、変化するために重要な情報(=チャンスや機会)をキャッチするための方法です。脳に悪気は無いんだろうけど、私はチャンスをキャッチしたいからその裏を行くよ、ごめんね。と思いながら読みました。
他にも自己評価の書き換え方法など、メンタルを強くする具体的な方法が数多く紹介されており、読み終わると自分の人生の目的地にたどり着くために必要なことが見えてくると思います。
変化のない日常から脱したいと思っている人に、ぜひ読んでもらいたい一冊です。